● 人の言葉を真に受けすぎてしまう
● 昔のことをいつまでも気にしてしまう
● 常に自分を責めてしまう
● 人に頼まれると嫌といえない
など、こんな悩みを抱えていませんか?
僕も同じようなことを感じながらずっと生きてきました。
「生きづらい世の中だな」と感じながらも、どうしようもなくただその世界で生きていかなければならないと思っていましたが、実はその生きづらさは僕の『敏感な気質』が原因だったと気が付きました。
それに気づいたのは、『HSP』という言葉に出会ったのがきっかけでした。
HSPの人は、繊細な気質ゆえにうつ病になりやすい傾向もあるそうです。
HSPとは?
HSPとは、Highly Sensitive Person の略で、日本語では「非常に敏感な人」となります。
これを打ち出したエレイン・N・アーロン博士によれば、世界のおよそ20%、つまり5人に1人が、残りの80%の人よりも敏感で、刺激に対して非常に反応しやすい気質を生まれながらに備えているのだといいます。
これは、人に限らず、犬や猫、ハエなどの昆虫類にまで共通するもので、生物にとって必要な気質といえるのだそうです。
HSP 敏感すぎる人の特徴
4つの特性『DOES (ダズ)』
アーロン博士によると、HSPには『DOES』と名付けた4つの特性があるといいます。
【Depth of processing】考え方が複雑で、深く考えてから行動する。
● 調べ物をはじめると深く掘り下げ、その知識の広さを周りに驚かれる
● お世辞や嘲笑をすぐ見抜いてしまう
● 物事を始めるまでにあれこれ考え、時間がかかる
● その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なものごとに興味があり、浅い人間や話が嫌い
【Overstimulation】刺激に敏感で疲れやすい
● 友達との時間は楽しいものの、気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れが出る
● 映画や音楽、本などの芸術作品に感動して泣く
● 人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない
● 些細なことに過剰なほど驚いてしまう
【Empathy and emotional responsiveness】人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい
● 悲しい映画や本などの登場人物に感情移入し、号泣する
● 人のちょっとした仕草、目線、声などに敏感で、機嫌や思っていることがわかる
● 言葉を話せない幼児や動物の気持ちも察することができる
【Sensitivity to subtleties】あらゆる感覚が鋭い
● 強い光や日光のまぶしさなどが苦手
● 近くにいる人の口臭やタバコの臭いで気分が悪くなる
● カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
● 肌着のタグなどチクチクする素材が我慢できないほど気になる。
● 第六感が働き、よく当たる
このほか、絶対的に一人の時間が必要な人、子どもの頃に、先生や親から「繊細」「人見知り」と評価されやすかった人もHSPの可能性が高いと言えるでしょう。
しかしながら、アーロン博士は4つのうち1つでも当てはまらない人はHSPではないと定義しています。
例えば、4つのうち3つにあてはまっていたとしても、1つはあまり当てはまらないと感じるなら、あなたは『HSP』ではなく、性格的に「内向的な人」の可能性が高くなります。
さまざまな刺激に敏感
敏感すぎる人は、さまざまな刺激に反応してしまいます。
けれども、いずれも普通の人には感じてもらえないので、この感覚や疲労感を誰かに伝えようとしてもなかなか分かってもらえないという悩みや困った感を抱えていることが多いです。
感じていることをうまく言い表せない
敏感すぎる人の特徴のひとつに、感情、感覚、イメージ、直感などをたくさん感じているのにそれをうまく言い表せないというものがあります。
HSPは感情、感覚、イメージ、直感などの感覚情報が豊かすぎることや、扁桃体システムが強力すぎてブレーキがかかりやすいために、スムーズに言語化できないことが多いのです。
その結果、行き場を失った思考や感覚がどんどんたまり、まとまらなくなってしまうのです。
いやだと言えない、断れない
相手を思いやる心が強く、相手の心を見通してしまうことはその一因です。
また、過去に相手を傷つけたことを思い出し、そんな自分を責め、自分に自信が無いことが多いのです。
敏感すぎる人は、自分と他人の問題を区別し自分を守る境界線が弱いので、関係の無い問題に巻き込まれたり、たくさんの人にいやな思いをさせられたり、人間関係の泥沼に引きずり込まれたり、相手と知らぬ間に深く付き合うことになったりしやすいのです。
監視や時間制限や評価を嫌う
監視や時間制限や評価を嫌い、集団でいるよりも一人でいる方が居心地がいいのも敏感すぎる人の特徴です。
安心、安全や信頼が得られず、いつでも周囲から影響を受けてしまう場合には、警戒心がとても強くなってしまいます。
細かいところによく気がつくため、人に言われること以上のことにすでに自分で気がついていることもあります。
人の言葉ではなく、表情やしぐさ、感情や雰囲気に反応してしまい、相手が何も言わなくても気になってしまいます。
人にはわからなくても自分にはそう感じるので、人がなんと言おうと自分の感覚を信じ続けます。
いつも自分の本音や本心は隠し、反射的に相手に合わせてしまうので、本当に理解されてる気がしないのです。
周囲の人の気分や感情に左右される
敏感すぎる人は、周りの人の気分や感情、雰囲気や気の強さに影響を受けてしまいます。
遠くにいて話もしていない人の感情も、意識もしないのに入ってきてしまうのです。
HSPに伴いやすい身体症状や精神状態
HSPが安心、安全の得られない環境で育ったり、生活したりすると、さまざまな身体症状や精神状態となって表に出てきます。
身体疾患としては、多汗症、慢性疲労症候群などの中枢性過敏症候群、化学物質や電磁波の過敏症、不眠症、過眠症、悪夢、緊張性頭痛、偏頭痛などです。
また合併しやすい精神状態としては、パニック症、強迫症などの不安障害、抑うつ不安症、うつ病、気分変調症などの気分障害、離人感、現実感喪失などの症状を持つ解離性障害、記憶障害などの症状をもつ統合失調症様状態などです。
もちやすいパーソナリティー特性として、自己評価が低く周囲からの評価に左右されて極端に不安になったりします。
生きづらさを改善するためのコツ
生きづらい環境から遠ざかろう
刺激に敏感であるという気質は変えられるものではありません。
だが、それが原因で生じる「生きづらさ」は、環境を変えることで軽減できます。
まずは、生きづらさを感じる原因となっている環境を知り、そこから遠ざかる方法を考えてみましょう。
「嫌なものは嫌」「好きなものは好き」。
それはすべて仕方のないことなのです。
頑張れない自分を責めるのではなく、自分には苦手な環境や状況があることを認め、そこを卒業して離れる自分を受け止めてあげましょう。
マイナスを吐き出そう
とはいえ、自分が何に悩み、苦しんでいるのか、自分でもよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが、マイナスを吐き出すことを毎日のルーティーンにすることです。
ノートを用意し、左ページは思いつくまま、どんなにひどい言葉でもいいから、正直に「感情の言葉」を書き連ねていくようにします。
そして、冷静になった後に、自分の書いた文章を読み返してその感想を右ページに「思考の言葉」として記します。
すると、自然と自分の状況が客観視でき、対処法が見えてくるようになります。
自分を守ってくれる場をつくる
住環境や職場環境を自分が過ごしやすいように改善することが生きづらさを軽減する一番の近道だが、簡単に変えられないものもあるでしょう。
そんな時は、心のなかにも安心で安全な居場所を作るといいのです。
好きなものに囲まれた自分の部屋、美しい森のなか、青い海を一望できるビーチ…。
気分が悪くなった時には、心の休み場所を思い浮かべ、深呼吸をしてみましょう。
リラックスできる自分の方法を見つけるようにするのです。
自分と他人との境界をつくる
他人との境界が薄い、あるいは境界がないことで、相手の感情に影響されたり、相手の感情に影響されたり、相手の意見に流され、苦しみもがく敏感すぎる人もいます。
他人との境界を作るには、「自分と相手は別の人間である」ということを頭にしっかり刻みつける以外ないと思ってください。
さほど敏感でない人たちは、自然に他人との距離をとり、自分の領分を守って生活しています。
ですから、あなたが自分と他人を区別したところで相手はなんとも思っていません。
むしろ、程よい距離を保った方がお互いに尊重し合える関係を築くのに好都合と考えるでしょう。
ゼロか100かの考え方をやめる
とても引き受けられない仕事にもかかわらず、「相手に悪いから」と無理して引き受けてしまう、あるいは些細な失敗に「自分はダメな人間だ」と打ちひしがれてしまう。
そこまで追い込まれてしまうのは、物事をゼロか100かと極端に判断する考え方にあるかもしれません。
もし心当たりがあったら、この考え方を改めてみてください。
思いのほか、心が軽くなるものです。
例えば何かを頼まれた時の答えは、引き受けるか断るかの2択以外にないのでしょうか?
3つめの選択肢「交渉」という方法があるのではないでしょうか?
どのくらいの量ならできるか、どのくらいの時間があればできるかといったことを相手とすり合わせ、無理のない範囲で協力できることもあるでしょう。
まとめ
僕も今までずっと「生きづらい世の中だな」と思いながら生きてきましたが、それは自分の中の気質の問題でもあったということだったんですね。
HSPに関する本を読んで、大切だと思ったのが、
② 無理に人に合わせない。無理に人付き合いしない。
③ 自分に合った天職を見つける。
HSPは気質だから、決して変えることはできないけど、それをマイナスにとらえずに、拒絶もしないで、自分の弱さを受け入れようと思います。
それできっと周りの見え方が変わってくると思います。
引用元:
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?その特徴や症状|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック