うつ病の改善には、セロトニンが欠かせません。
セロトニンは、不安や緊張をやわらげ、興奮を抑えて、気分を安定させてくれます。
反対にセロトニンの分泌が抑えられてしまうと、不安や緊張、興奮を抑えたりすることができなくなってしまいます。
では、どうすればセロトニンを積極的に分泌させることができるのでしょうか?
それは、『日光を浴びること』+『リズム運動』=『ウォーキング』がセロトニンを分泌するのには絶好の方法なのです。
セロトニン・ウォーキングをはじめよう!
セロトニン・ウォーキングは、日光を浴びながら、姿勢とウォーキングに意識を集中する。
たったこれだけでいいのです。
それを5分から長くても30分行うだけでいいのです。
決して疲れるまで歩きません。5分でもOKです!
歩く速度は、できるだけ「速め」を心がける
セロトニン・ウォーキングは、なるべく速めに歩くことを心がけてください。
つま先で地面を蹴って進むような感じで、早歩きぐらいの感覚で歩くことができればそれが一番いいスピードです。
理想としては、1km10分ぐらいで歩けるととてもいいと思います。
おしゃべりはしないで歩くことに集中する。
それぐらいの気持ちで取り組めればベストです。
ただ、繰り返しになってしまいますが、疲れてしまうほどの運動は、セロトニンを分泌するにはかえって良くありませんから、無理は禁物です。
時間は5分でもいいです。
30分を限界として、なるべく早歩きするといった感覚を忘れないで歩いてください。
参考までに、下のアプリをインストールして歩いてみると、だいたいの速さや距離がつかめます。
必ずこの速さで歩くとか意識しないで、その時の体調や気分と相談して、なるべく速く歩くぐらいの感覚でいいと思います。
継続が一番重要ですよ。
姿勢は胸を張ってピンと立って!
歩く速度は早歩きでとしましたが、姿勢が悪ければ効果も落ちてしまいます。
『姿勢』+『早歩き』が、いちばん効果を得やすいです。
姿勢は、頭のてっぺんに糸がついていて、それで空から引っ張られている感じを意識してください。
そうすると自然と背筋もピンと張ります。
そして、肩を後ろに引き、これ以上できないぐらいに胸を張ります。
そうすると、とても姿勢よくスッスッとスムーズにキレイにウォーキングを行うことができるのです。
疲れるまで歩かない
セロトニン・ウォーキングは無理をしないことが基本です。
ハードな運動をしたあとは、気持ちがいいというよりも、必要以上に体力を消耗してしまったため、セロトニンの分泌が弱まってしまうおそれがあります。
疲れてくるというのは、実際は、長時間の運動を続けると、体内で酸素の供給が間に合わなくなり、乳酸が分解されずに、乳酸が溜まってくるからです。
そして、必要以上に乳酸が出てしまうと、セロトニンを抑制してしまうのです。
乳酸は、単に疲労物質という訳ではなく、実際には、筋肉疲労を防ぐという役割もあるようなのですが、セロトニンの分泌を抑制させてしまうという点からすると、避けたい物質なのです。
だから、セロトニン・ウォーキングは、「疲れる前にやめる」というスタンスがもっとも適しています。
まずは5分からはじめよう!
セロトニン・ウォーキングを行う時間の目安は、5分以上30分以下です。
5分なら、誰でも気軽に始めてみようと思うことができるでしょう。
最初はとりあえず5分。
朝、5分の時間を作って、太陽を浴びながら歩いてみましょう。
よく耳にすることがありますが、通勤で使う駅を一駅分歩いてみるだとか、そういう取り入れやすいところから始めてみるのもいいかもしれません。
とにかく、無理なく朝のわずかな時間でも太陽の光を浴びながらウォーキングするということが大切なのです。
最長でも30分ウォーキングにおさえましょう
5分よりもっと歩けるという人は、もちろんその方が良いでしょう。
あるいは、ウォーキングを継続しているうちに、もっと歩きたくなるようになってるかもしれません。
最初は5分のつもりが、そのうち10分になり、20分になり。
しかし、忘れてはいけないのが、セロトニン・ウォーキングは疲れるまでやってはいけません。
体力にもよりますが、長くても30分程度に抑えましょう。
3か月、毎日続けよう!
セロトニン・ウォーキングは、毎日続けて、3か月行うことがとても大切です。
もちろん、セロトニン・ウォーキングをしたことによって、一時的にセロトニンの脳内の分泌量は増え、その効果は1~2時間ほど続きます。
毎朝行うと、その日の調子をいつもよりも高いレベルに引き上げる効果も期待できます。
しかし、これは短期的な効果です。
セロトニン神経を鍛え、恒常的にセロトニンの量を増やすためまでには3か月かかります。
3か月間続けてはじめてその効果は継続的なものになるのです。
3か月でセロトニン神経が変わる!
セロトニン・ウォーキングでセロトニン不足を解消し、セロトニンを十分に分泌させるには、だいたい3か月ぐらいかかります。
ですから、5分間のウォーキングでもいいので、3か月は続けてほしいです。
どういうことかというと、セロトニン神経には、今までよりも多くのセロトニンが出るような運動(ウォーキング)を毎日行うことによって遺伝子に働きかけ、セロトニン神経自体の構造を変えてしまおうという性質があります。
そして、この構造が変わるまでには3か月程度はかかります。
何もしなくてもセロトニンが高いレベルで脳内にある状態ができあがるまで3か月かかります。
季節によって歩き方をかえよう!
夏はちょっと早めの時間でもOK!
夏の強い日差しのもとでとウォーキングはすぐに疲れてしまいます。
疲れたら、もうそれ以上のセロトニン神経の活性化は期待できませんから、そこでおしまいです。
特に、夏は日差しの弱いうち、朝も早い時間の方がいいと思います。
夏は早いうちから日も昇るので、早朝5時に、冬なら7時ぐらいと、太陽とともに行動してもいいでしょう。
冬こそセロトニン・ウォーキング!
夏はもともと太陽の光が十分ありますから、セロトニン神経は元気です。
反対に、冬は意外と光が弱いので、何もせずにいるとセロトニンが不足してしまいがちです。
その代表的な例が『冬季うつ病』です。
冬季うつ病は、冬にだけうつ症状があらわれる人のことをいいます。
うつ病という名前がついていますが、10月から12月頃の陽の光が弱く。また日照時間が短くなる頃から始まり、春先の3月頃には自然と回復するようです。
冬は寒くて朝からウォーキングしよう!という気持ちにはなかなかなれないと思いますが、冬こそセロトニン・ウォーキングをする価値があるのです。
まとめ
セロトニン・ウォーキングでうつ病の予防、改善をしよう!
セロトニン不足が招く精神疾患の代表は、うつ病です。
昔は、うつといえば、ほとんど先天的、遺伝的な躁うつ病を指していましたが、現在、圧倒的に増えているうつ病は、それとは違う、生活習慣によるものです。
うつ状態に陥っている場合は、セロトニンの分泌量そのものが少なくなってしまっているので、この慢性的なセロトニン不足の状態を解決するためには、積極的に増やす努力が必要になります。
薬は対症療法だということをよく理解し、セロトニンを多く分泌する生活習慣を作ることを心がけましょう!
それこそが、積極的な解決方法です。